2006年以降段階的に施行されてきた貸金業法において、2009年の第三次施行により貸金業者は借入申し込み者の信用を調査するため専門機関への情報照会をする旨の規定を定めました。

国が指定する専門機関である「信用情報機関」

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信用情報機関」という名称を聞いたことがないという人も多いと思います。

我々消費者との接点は直接ありませんが、カードローンの借入審査の際には非常に大きな役割を持っている機関です。

2006年以降段階的に施行されている貸金業法においては「年収の3分の1を超える貸付をしてはならない」といういわゆる総量規制が設けられました。

この規制により2004年には2万3000社ほどあった貸金業者は2013年度には1600社ほどになっています。

通常、年収の3分の1を超える借入があった場合返済は不可能に近くなりますので、非常に妥当な判断だと言えるでしょう。総量規制の規定により自己破産者の数と悪徳貸金業者の数は大きく減り、業界は大いに健全化されたと言えます。

その一翼を担ったのが信用情報機関の存在です。

貸金業法により総量規制を制定したものの、貸金業者側がそれを実行するためにはいくつかの困難が存在していました。

その1つに「いかにして借入希望者の借入希望額が年収の3分の1を超えていないかを判断すること」があります。

仮に年収の3分の1を下回る融資をしたとしても、他社からの借入がある場合は貸付額が総量規制を上回ってしまいます。違反即処分。9割ほどの業者が姿を消したことから見てもお分かりのように、国は貸金業法の施行に対し厳格な態度で臨んでいます。

もちろん、ただ厳格なだけではなく、手助けもしました。

国はある程度の個人情報を信用情報機関にデータベース化させ、貸金業者が借入の申し込みを受けた時にはその情報を共有させることにしたのです。

信用情報機関にはどのような情報が共有されるの?

先述いたしました通り、貸金業者は信用情報機関への情報照会の義務もありますが、報告をする義務もあります。

もちろん、黙って報告するわけではなく、ローンの申込書・契約書に記載する申し込み・契約約款とは別に、同意条項を記載した書面等を提示・交付等し、消費者の同意を得ることが前提です。

このように同意を得た結果は信用情報機関に登録されます。

どのような情報が登録されるかというと、信用情報機関によって項目は少し違いますが、消費者金融が多く加盟している情報機関であるJICC(指定信用情報機関 日本信用情報機構)には以下の情報が登録されます。

・本人を特定する情報

・契約内容に関する情報

・返済状況に関する情報

・取引事実に関する情報

・申し込みに関する情報

 

各情報の種類と内容・登録期間一覧表

 

情報の種類 情報の内容 登録期間
本人を特定する情報 氏名・生年月日・性別・住所・電話番号・勤務先・勤務先電話番号・運転免許証など本人確認書類の記号番号 契約内容に関する情報などが登録されている期間情報
契約内容に関する情報 登録会員名・契約の種類、契約日、貸付日、契約金額、貸付金額、保証額など 契約内容に関する情報などが登録されている期間
返済状況に関する情報 入金日・入金予定日・残高金額・完済日・延滞など 契約継続中及び完済日から5年を超えない期間

*ただし、債権譲渡の事実に係る情報については当該事実の発生日から1年を超えない期間

取引事実に関する情報 債権回収・債務整理・保証履行・強制解約・破産申立、債権譲渡 当該事実の発生から5年を超えない期間*ただし、債権譲渡の事実に係る情報については当該事実の発生日から1年を超えない期間
 申し込みに関する情報  本人特定する情報(氏名や生年月日、電話番号及び運転免許証などの記号番号など)・申込日及び申し込み商品種別など  申込日から6か月を超えない期間

 

 

信用情報機関にはどのような会社があるの?

主な信用情報機関は3社です。

・JICC(日本信用情報機構)

・CIC(クレジットインフォメーションセンター)

・KSC(全国銀行個人情報センター)

 

貸金業者や銀行はいずれか複数、もしくはすべての信用情報機関に登録をしています。

消費者金融は主にJICCに加盟している所が多く、銀行のカードローンにおいても消費者金融が保証会社となることが多いため、カードローンの審査時にはJICCが大きな役割を果たすと言ってよいでしょう。

JICCとCICは国から信用情報機関としての指定を受けており、各貸金業者はどちらかの会員にならなくてはいけないようになっています。

両社の概要は以下のようになっています。

 

機関名 JICC

(日本信用情報機構)

CIC

 

主要加盟会社系統 消費者金融系 信販・クレジット会社系
設立年 1976年 1984年
会員貸金業者数 1446社 339社
登録情報件数 3億1575万件 3億8599万件
照会件数 1103万件 1196万件

登録件数が日本国民の数より多いのは、クレジットカードの登録情報によるためのものだと思われます。

信用情報機関に登録されている情報の中でカードローン審査に影響を与えるのは?

結論から言えばすべての情報がカードローンの借り入れ審査に影響します。

信用情報機関に登録されている情報は、カードローン審査の基準である「与信スコアリング」のうち「信用情報スコアリング」として文字通り点数付けされます。

中でも

・返済状況に関する情報

・取引事実に関する情報

の2点がスコアリングに与える影響は大きいと言えます。

基本的にカードローンの審査基準は「貸付をきちんと返済してくれそうか」という1点に集約されるため、過去にきちんと返済している場合は、初回の借り入れ申し込みよりもはるかに与信スコアが上がります。

逆に、過去に返済の延滞や所謂金融事故などを起こしていると大幅にスコアリングは下がります。

他にも、過去(もしくは現在)に複数の業者に同時に借り入れ申し込みをした事実なども大きくスコアリングを落とす要因になります。

基本的に過去にきちんと返済していれば、借入審査には問題がないと言えます。

新規の場合は信用情報機関への情報が登録されていないため、信用情報スコアリングは過去に利用歴のある人よりも低くなりますが、それが理由で借入審査が通らないということはないでしょう。